いくら貯めてから辞めるか — 生活費と事業資金は分けて計算する
「半年分」とよく言われますが、何の半年分かが曖昧です。生活防衛資金と事業の運転資金を別々に積み上げる方法を示します。
2つの財布を分けて考える
独立前の貯蓄は、生活費と事業資金という性質のまったく違う2つに分かれます。合算した金額だけを見ていると、事業に使ってよい額を見誤ります。
生活防衛資金の出し方
家計の月額支出を洗い出します。家賃・住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険料、教育費、そして独立後に自分で払うことになる社会保険料と住民税。
特に見落とされるのがこの2つです。住民税は前年の所得に対してかかるため、収入がゼロになった年も、前年の給与に応じた額を払い続けます。会社員時代に給与天引きだった分が、独立後は自分で納付することになります。
月額支出が出たら、収入ゼロで耐えたい月数を掛けます。12か月分あれば精神的にかなり楽になりますが、6か月分が現実的な最低ラインです。
事業資金の出し方
- 開業時の初期費用 … 設立費用、設備、内装、初期の仕入れ、ツール
- 軌道に乗るまでの運転資金 … 家賃、外注費、広告費など毎月出ていくもの × 見込み月数
- 入金までのずれ … 受注してから入金までが2か月なら、その2か月分は立て替えになります
この合計が事業資金です。全額を自己資金で用意する必要はなく、一部は創業融資で賄うのが一般的です。ただし融資は自己資金の額で借入可能額が決まるため、自己資金がゼロだと選択肢が狭まります。
貯め方も見られている
創業融資では、自己資金の金額だけでなく貯まり方が見られます。毎月一定額を積み立てた通帳の履歴は、それ自体が計画性の証明になります。
独立を考え始めた時点で、生活口座とは別に「創業準備口座」を作り、毎月同じ日に一定額を移してください。6か月〜1年の履歴があると、面談での説明がまったく違います。
辞める前にやっておくこと
信用の観点で、会社員のうちにしかできないことがあります。クレジットカードの作成、住宅ローンや賃貸契約の審査。独立直後は実績がなく、いずれも通りにくくなります。必要になりそうなものは在職中に済ませておくのが実務的です。
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