社用車と備品の経費処理 — 10 万円・30 万円の線引き
買ったものが全額その年の経費になるとは限りません。金額による処理の違いと、社用車で問題になりやすい点をまとめました。
金額で処理が変わる
| 取得価額 | 処理 |
|---|---|
| 10 万円未満 | 全額を購入した年度の経費(消耗品費) |
| 10 万円以上 20 万円未満 | 一括償却資産として 3 年で均等償却、または通常の減価償却 |
| 10 万円以上 30 万円未満 | 中小企業者等の少額減価償却資産の特例により、年間 300 万円まで全額経費にできる(適用期限あり) |
| 30 万円以上 | 固定資産として、耐用年数にわたり減価償却 |
判定は税抜経理なら税抜価格、税込経理なら税込価格で行います。免税事業者は税込で判定するため、29 万円の備品が税込 31 万円超となり特例を使えない、ということが起こります。
また、判定は「1 単位」ごとです。机と椅子をセットで買っても、それぞれ単独で機能するなら個別に判定します。逆に、パソコン本体とセットでないと使えない周辺機器は合算されることがあります。
社用車の耐用年数
- 普通自動車(新車) … 6 年
- 軽自動車(新車) … 4 年
- 中古車 … 「法定耐用年数 − 経過年数 + 経過年数 × 20%」(最低 2 年)
4 年落ちの普通自動車は、計算上の耐用年数が 2 年になります。定率法を選んでいればほぼ 1 年で償却できるため、節税目的で 4 年落ちの中古車が好まれるのはこれが理由です。
ただし、節税のために不要な車を買えば、キャッシュは確実に減ります。事業に必要かどうかが先です。
社用車で問題になりやすい点
- 私用との按分 … 業務にしか使わないなら全額経費ですが、私用も兼ねるなら按分が必要です。走行記録や利用記録があると説明できます
- 名義 … 会社名義で購入・登録します。個人名義のまま経費にすると否認されやすくなります
- 保険 … 業務使用に対応した契約になっているか確認します。個人用の契約のままだと、事故時に補償されないことがあります
- 駐車場代・ガソリン代・車検費用 … 按分割合は車両本体と揃えます
リースという選択
購入ではなくリースにすると、初期支出を抑えられ、リース料を経費として平準化できます。メンテナンス込みのプランなら、車検や整備の手間も減ります。
一方、総支払額は購入より高くなるのが通常で、中途解約に違約金がかかります。資金繰りを優先するならリース、総コストを優先するなら購入、という整理になります。
固定資産税(償却資産)の申告
取得価額 10 万円以上の事業用資産(車両を除く)は、毎年 1 月 31 日までに市区町村へ償却資産申告が必要です。課税標準額の合計が 150 万円未満なら課税されませんが、申告そのものは必要です。設立初年度に見落とされやすい手続きなので、備品を買ったら申告対象かどうかを確認してください。
会社をつくった人に、最初に届く 1 冊
決算の進め方、PL のつくり方、創業時にやったほうがよい 10 のこと。 設立から 1 か月以内の方へ毎月お届けします。購読は無料で、 あわせてテンプレートの配布と無料ウェビナーもご利用いただけます。
