適用される取引
下請代金支払遅延等防止法は、親事業者と下請事業者の資本金の組み合わせと、取引の内容で適用が決まります。
製造委託・修理委託、および情報成果物作成委託・役務提供委託のうち一部
- 親事業者の資本金3億円超 → 下請事業者3億円以下
- 親事業者の資本金1千万円超3億円以下 → 下請事業者1千万円以下
情報成果物作成委託・役務提供委託(上記以外)
- 親事業者の資本金5千万円超 → 下請事業者5千万円以下
- 親事業者の資本金1千万円超5千万円以下 → 下請事業者1千万円以下
資本金1,000万円を超えた時点で、自社が適用対象になる可能性があります。増資したら確認してください。
なお、2026年1月施行の改正により法律の名称が「取適法」に変わり、規律も見直されています。最新の内容を確認してください。
親事業者の4つの義務
- 書面(3条書面)の交付 … 発注時に、給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法などを記載した書面を直ちに交付。電磁的方法も可
- 支払期日を定める … 給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内
- 書類の作成・保存 … 取引の内容を記録し、2年間保存
- 遅延利息の支払 … 支払期日までに支払わない場合、年14.6%
11の禁止行為
- 受領拒否 … 下請事業者に責任がないのに受け取らない
- 下請代金の支払遅延
- 下請代金の減額 … 下請事業者に責任がないのに減額する。値引き、協賛金名目も含む
- 返品
- 買いたたき … 通常の対価より著しく低い額を不当に定める
- 購入・利用強制
- 報復措置 … 公取委等に知らせたことを理由とする取引停止
- 有償支給原材料等の対価の早期決済
- 割引困難な手形の交付
- 不当な経済上の利益の提供要請 … 協賛金、無償の作業
- 不当な給付内容の変更・やり直し
下請事業者の同意があっても違反になります。「合意のうえで減額した」は通りません。
フリーランス新法との関係
資本金の要件を満たさない場合でも、従業員を使用しない個人等に業務委託するなら、フリーランス新法が適用されます。
- 発注事業者の規模を問わない
- 取引条件の明示、60日以内の支払
- 一定期間以上の継続的委託では、買いたたき、減額、受領拒否などが禁止
- 中途解除は30日前予告
創業直後の小さな会社でも、個人に外注すれば対象です。
違反するとどうなるか
- 公正取引委員会・中小企業庁の調査
- 勧告と公表
- 減額分の返還
- 書面不交付等には罰金
実務での対応
- 発注書のテンプレートを作る … 記載事項を漏れなく
- 支払サイトを確認 … 受領日から60日以内に収まっているか
- 取引記録を保存
- 減額・やり直しを求める場合は、その根拠が下請事業者の責任によるものか確認
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