3つの決め方
①原価から積む(コストプラス)
原価+必要な利益。赤字にならない下限が分かりますが、これだけで決めると市場と合わない価格になります。
②相場から決める(競合基準)
同業の価格に合わせる。分かりやすいが、差別化がないと値下げ競争に入ります。
③価値から決める(バリュープライシング)
顧客が得る便益から逆算する。「月40時間の作業が削減できる」なら、その時給換算額が価格の基準になります。最も利益が出る考え方ですが、価値を説明できることが前提です。
実務では、①で下限を確認し、②で市場を把握し、③で上限を探るという順で使います。
安く始めることの代償
創業期は自信がなく、相場より安い価格を提示しがちです。しかし、
- 安い価格に満足した顧客は、同じ価格感の相手に紹介します
- 値上げすると、既存客も紹介先も離れます
- 安さで選んだ顧客は、より安い競合が現れれば移ります
- 薄利で件数をこなすことになり、品質を保てなくなります
最初から適正価格で受け、件数を絞るほうが健全です。
価格の見せ方
- 3案(松竹梅)にする … 1案だと「やる/やらない」、3案だと「どれにするか」に変わります。真ん中に本命を置く
- 内訳を示す … 「一式」だと総額でしか判断されず、値引き交渉になります
- 初期費用と月額を分ける
- 「◯万円〜」でも出す … 完全非公開だと、問い合わせる前に候補から外されます
値上げの進め方
- 予告期間を取る … 3〜6か月前に通知
- 理由を説明する … 原価上昇、提供範囲の拡大、品質向上のための投資
- 既存客には経過措置 … 一定期間は旧価格を維持する、など
- 新規から先に適用する … 新価格で受注できることを確認してから既存に広げる
全員が残ることはありません。どこまで離れたら困るかを先に計算しておいてください。
価格表示の法的注意
- 総額表示 … 消費者向けの価格表示は税込の総額表示が義務
- 二重価格表示 … 「通常価格◯円→特価◯円」の通常価格に実態がないと景品表示法違反
- 期間限定の虚偽 … 常に「本日まで」と表示するのは違反
- 最安値表示 … 根拠がなければ優良誤認
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