3つの形態
| 駐在員事務所 | 支店 | 現地法人 | |
|---|---|---|---|
| 法人格 | なし | なし(日本法人の一部) | あり(別法人) |
| 営業活動 | できない(情報収集、連絡業務のみ) | できる | できる |
| 契約主体 | なれない | 日本本社 | 現地法人 |
| 設立コスト | 低い | 中 | 高い |
| 責任 | 本社 | 本社が全責任 | 原則、出資の範囲 |
| 撤退 | 容易 | 中 | 清算手続きが必要で時間がかかる |
駐在員事務所
できるのは情報収集、市場調査、本社との連絡、広告宣伝に限られます。契約、販売、代金の受領はできません。
- 設立が簡単で、費用が安い
- 撤退も容易
- 営業活動をすると、恒久的施設(PE)と認定されて現地で課税されるリスクがあります
市場を調べる段階には適していますが、売るなら別の形態が必要です。
支店
日本法人の一部として現地で営業できます。ただし、債務は日本本社が全額を負います。現地でトラブルが起きたとき、本社まで影響が及びます。
現地法人
別法人なので、原則として責任が出資の範囲に限定されます。現地での信用も得やすく、取引先や金融機関からの評価も高い。
一方で、
- 設立に時間と費用がかかる(国によっては数か月)
- 現地の会計・税務・労務の対応が必要
- 撤退時の清算に時間と費用がかかる(国によっては1年以上)
- 出資規制がある業種・国がある(現地資本との合弁が義務づけられる場合)
税務上の論点
- 移転価格税制 … 本社と現地法人の間の取引価格が、独立企業間価格から乖離していると否認されます
- タックスヘイブン対策税制 … 税率の低い国の子会社の所得が、日本で合算課税されることがあります
- PE認定 … 駐在員事務所が営業活動をしていると、現地で課税されます
- 租税条約 … 二重課税の調整
これらは国際税務に詳しい税理士の関与が必須の領域です。
段階を踏む
いきなり現地法人を作る必要はありません。
- 日本から輸出(越境EC、代理店経由)
- 駐在員事務所で市場を調べる
- 取引が安定したら現地法人
撤退コストを知ってから作ることが重要です。特に現地法人の清算は、雇用の整理、税務の清算、登記の抹消を含め、想像より重い手続きになります。
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