融資と出資の根本的な違い
| 融資(デット) | 出資(エクイティ) | |
|---|---|---|
| 返済 | 必要 | 不要 |
| コスト | 金利(数%) | 株式の希薄化 |
| 経営への関与 | 原則なし | 株主として関与。取締役派遣もある |
| 求められる成長 | 返済できればよい | 数年で数倍〜数十倍 |
| 失敗時 | 返済義務が残る | 返済義務なし |
出資が向く事業
- 急速に市場が拡大している領域
- 先行投資が大きく、黒字化まで時間がかかる(SaaS、創薬、ハードウェア)
- スケールしたときに極めて大きな市場が取れる
- 数年内の上場または売却(M&A)を目指せる
出資が向かない事業
- 着実に利益が出るが、爆発的には伸びない事業 … 受託、店舗、地域密着型サービス
- 経営の自由を手放したくない
- 自己資金と融資で十分回る
投資家は数年内のリターンを求めます。「安定して年5%成長」という優良な事業でも、出資の対象としては合いません。無理に出資を受けると、事業の性質に合わない成長を求められて苦しくなります。
出資者の種類
- エンジェル投資家 … 個人。数百万〜数千万円。意思決定が速く、事業の初期段階から入る
- ベンチャーキャピタル(VC) … ファンド。数千万〜数億円。ファンドの満期があるため、出口(上場・売却)を明確に求められます
- 事業会社(CVC) … 事業シナジーを目的とする。取引関係が生まれることもあるが、競合との取引が制限される場合も
最初に決めておくこと
- 創業者の持株比率 … 資金調達を重ねると希薄化します。最終的に経営権を保てるかを最初から逆算しておく
- 創業株主間契約 … 共同創業者がいるなら、退任時の株式の扱いを先に決める
- 株式の譲渡制限 … 定款で設定しておく
投資契約で見る条項
- 優先株式の内容 … 残余財産の優先分配、参加型か非参加型か
- 希薄化防止条項 … 次回がより低い株価だった場合の調整
- 取締役の指名権、オブザーバー権
- 事前承諾事項 … 一定の経営判断に投資家の承諾が必要になる範囲。広すぎると日常の意思決定が止まります
- 買戻し条項 … 一定の事由で創業者に株式の買戻しを求める条項。個人に巨額の債務が発生し得るため、最も慎重に見るべき箇所
- ドラッグ・アロング(共同売却請求権)
投資契約は必ず弁護士に確認してもらってください。ここでの1行が、数年後の経営を大きく左右します。
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