利益と所得は一致しない
法人税は、会計上の利益ではなく税務上の所得に対して課税されます。
所得 = 益金 − 損金
所得 = 会計上の利益 + 加算項目 − 減算項目
会計では費用でも、税務では損金にならないものがあります。これを申告書で加算して所得を計算します。
損金にならない主なもの
- 役員給与のうち一定のもの … 定期同額給与・事前確定届出給与の要件を外れた部分
- 交際費の一部 … 中小法人は年800万円まで損金算入可(超過分は不算入)
- 法人税・住民税 … 税金そのものは損金になりません(事業税は損金)
- 延滞税・加算税・罰金
- 寄附金の限度超過額
- 減価償却の限度超過額
- 引当金の一部
税率
中小法人(資本金1億円以下)には軽減税率が適用されます。
| 所得 | 法人税率 |
|---|---|
| 年800万円以下の部分 | 軽減税率 |
| 年800万円超の部分 | 原則税率 |
これに地方法人税、法人住民税、法人事業税が加わります。すべて合わせた実効税率はおおむね30%前後(所得水準・自治体により変動)と考えておくと、資金繰りの見積りに使えます。
赤字でもかかる税金
法人住民税の均等割は所得に関係なく発生します。資本金1,000万円以下・従業員50人以下なら年7万円程度です。「赤字だから税金ゼロ」ではありません。
赤字は繰り越せる
青色申告をしていれば、欠損金を最大10年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。創業期は先行投資で赤字になりやすいので、この制度の価値は大きい。
ただし青色申告の承認申請を期限内に出していることが前提です。期限は「設立から3か月経過日」と「最初の事業年度終了日」の早いほうの前日。ここを逃すと1期目の赤字は繰り越せません。
申告と納付
- 期限 … 決算日から2か月以内。申告と納付が同じ期限
- 延長 … 申告期限の延長は申請で可能ですが、納付の期限は延びず、利子税がかかります
- 中間申告 … 前期の法人税額が20万円を超えると、期の途中で中間納付が必要になります
税理士に任せる範囲
法人税の申告書は別表が多く、自力で作るのは現実的ではありません。ただし「どの費用が損金にならないか」を知っているかどうかで、期中の意思決定が変わります。丸投げでも、加算項目の中身は聞いておいてください。
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