消費税は自分のお金ではない
売上11万円(税込)を受け取ったとき、1万円は預かった消費税です。仕入や経費で支払った消費税を差し引いた残りを、決算後に納付します。
問題は、口座には11万円が入るため、全額が自社の売上のように見えてしまうことです。運転資金として使ってしまうと、納税時に現金が足りなくなります。
納税額の目安
本則課税なら「預かった消費税 − 支払った消費税」です。人件費には消費税がかからないため、人件費比率が高い事業ほど納税額が大きくなります。
簡易課税なら、業種ごとのみなし仕入率で計算します。実際の仕入が少ない業種(サービス業など)では、簡易課税のほうが有利になることが多いです。
別管理する
最も確実な方法は、入金のたびに消費税相当額を別口座に移すことです。手間はかかりますが、納税時に慌てずに済みます。
簡便な方法として、毎月の売上の一定割合(本則課税なら概算で売上の3〜5%程度、事業によって変動)を積み立てるやり方もあります。会計ソフトで期中の消費税の概算額が分かるので、それを目安にしてください。
中間納付が資金繰りを直撃する
前期の消費税の納税額に応じて、期の途中で中間納付が発生します。
| 前期の納税額 | 中間納付の回数 |
|---|---|
| 48万円以下 | なし(任意で可) |
| 48万円超〜400万円以下 | 年1回 |
| 400万円超〜4,800万円以下 | 年3回 |
| 4,800万円超 | 年11回 |
中間納付は前期実績ベースなので、当期の業績が落ちていても同じ額を求められます。資金繰り表に必ず入れてください。
業績が大きく落ちている場合は、仮決算による中間申告で実績ベースに切り替えることができます。手間はかかりますが、資金繰りが苦しいときには検討する価値があります。
インボイス登録で免税から課税になった場合
これまで消費税を納めていなかった事業者がインボイス登録すると、納税義務が新たに発生します。価格に転嫁できていないと、その分がまるごと利益の減少になります。
登録前に、①納税額の試算 ②簡易課税や特例措置が使えるか ③価格をどうするか、を必ず確認してください。
滞納は絶対に避ける
消費税は滞納が多い税目です。しかし延滞税は高率で、滞納があると信用保証協会の保証が受けられず、融資の道が閉ざされます。払えない見込みなら、期限前に税務署へ納付の猶予を相談してください。申請すれば延滞税の一部が免除されることがあります。
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