目安①:月商倍率
有利子負債 ÷ 月商
簡便な指標で、業種によって適正水準が異なります。
- 卸売・小売 … 2〜3か月程度
- 製造業 … 3〜4か月程度
- 建設業 … 3〜4か月程度
- サービス業 … 2〜3か月程度
6か月分を超えると、過大と見られやすくなります。ただし設備投資直後は一時的に上がるので、単年度だけで判断しないでください。
目安②:債務償還年数
有利子負債 ÷ (税引後利益 + 減価償却費)
金融機関が最も重視する指標です。今の利益水準で借入れを何年で返せるかを示します。
- 10年以内 … 正常
- 10〜20年 … 要注意
- 20年超 … 過剰債務。新規融資は困難
この式は、「利益が出ていなければ、いくら借りていても返せない」ことを表しています。借入額の絶対値より、利益とのバランスが重要です。
目安③:返済比率
年間の元本返済額 ÷ (税引後利益 + 減価償却費)
返済原資のうち、どれだけが返済に消えるか。100%を超えていれば、返済のために新たに借りるしかない状態です。
目安として70%以下に収まっていれば、手元に資金が残ります。
創業期の特殊事情
創業期は利益が出ていないため、上の指標は軒並み悪い数字になります。これは異常ではありません。金融機関も創業期は計画ベースで判断します。
ただし、創業から3年経っても改善していなければ、構造的な問題と見られます。
借りすぎのサイン
- 毎月の返済のために、新たな借入れを検討している
- 返済額が月の利益を上回っている
- 複数の金融機関から少額ずつ借りている
- ノンバンクやビジネスローンを使い始めた
- 税金・社会保険料の納付を遅らせている
借りなさすぎも問題
逆に、借入れを一切しない経営にもリスクがあります。
- 金融機関との取引実績ができない … いざ必要になったときに、ゼロから審査が始まります
- 手元資金が薄いまま事業を回すことになる
- 投資の機会を逃す
創業期に小さくても借りて、きちんと返した実績は、次の融資で効きます。無借金であることが目的化すると、成長の機会を失います。
判断の順序
- 資金繰り表で、いつ、いくら足りないかを出す
- その額を借りた場合の返済額を計算する
- 返済原資(税引後利益+減価償却費)が返済額を上回るか確認する
- 上回らないなら、借入額を減らすか、期間を延ばすか、計画を見直す
無料
会社をつくった人に、最初に届く 1 冊
決算の進め方、PL のつくり方、創業時にやったほうがよい 10 のこと。 設立から 1 か月以内の方へ毎月お届けします。購読は無料で、 あわせてテンプレートの配布と無料ウェビナーもご利用いただけます。
